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”裸足の美学からの脱却”

ダントツの舞台裏
プロモーション代表 菅原泰男コラム

5) あなたは会社の中で善玉菌、それとも悪玉菌?

人間の腸内細菌も同様に、 善玉菌と日和見(ひよりみ)菌と悪玉菌の3種類に分かれています

会社の中にいる人材の構成は、人間の体内にいる腸内細菌の構成とよく似ています。よく会社の人材は、活躍する2割と、鳴かず飛ばずの6割、そして足を引っ張る2割の3つに分かれると言います。

実は人間の腸内細菌も同様に、善玉菌と日和見(ひよりみ)菌と悪玉菌の3種類に分かれています。

■ 善玉菌 とは、悪玉菌の力を弱め、食べ物の消化や吸収を助けたり、免疫力を強化し、病気に対する抵抗力をつける働きをする「有用菌」のことです。

■ 日和見菌 とは、数が一番多く、普段は特に良い働きも、悪い働きもしない細菌のことです。ただし、善玉菌グループ、悪玉菌グループのどちらかが優勢になってくると、そちらに加勢する性質を持っています。

■ 悪玉菌 とは、下痢や便秘になりやすくし、腸内の腐敗を進め、免疫力を低下させ、炎症を起こしたり、発ガン性のある物質を作る「有害菌」のことです。

善玉菌と悪玉菌が日和見菌に大きな影響力を発揮

善玉菌が日和見菌をリード

バランスとリズムを考えた正しい食生活を心がけ、安全で新鮮な野菜や果物を食べ、ビフィズス菌などを多く摂取すると、腸は喜びます。こうして腸内で善玉菌が増えると日和見菌は善玉菌の方へと導かれ、本来人間が持つ健康的な体質・体調になり、ベストコンディションを維持することができます。

悪玉菌が日和見菌を道ずれに

反対に、好き嫌いなど偏食が激しく、暴飲暴食など乱れた食生活を繰り返し、防腐剤や添加物の多い加工食品や、残留農薬や腐りかかった悪い物を食べていると、腸が悲鳴を上げます。こうして腸内で悪玉菌を増やすと、日和見菌は悪玉菌の方に傾いてしまいます。最初のうちは、下痢をするなどして悪玉菌を追い出そうとしますが、その量が多かったり、頻度が上がり慢性化してしまうと、だんだん出し切れなくなり、体調を崩したり、最後には病気になったりします。

単にお腹を壊すといった程度なら自然に回復することもあるし、市販の薬を飲めば治ることもあります。しかし、すっかり体調まで崩してしまうところまで進んでしまうと、休暇を取ったり、病院に行って処方箋に基づいた薬をもらって服用しなければならなかったりすることになります。さらにひどくなれば、入院したり手術をしたりという事態も起きてしまいます。

これらの直接的な原因は体に良くない食品を多く摂ったことにありますが、根本的原因は身体に悪い食生活を習慣化させていることです。お腹が痛ければ薬を服用するなどの対症療法を施しても、根底にある悪い食習慣を見直さない限り同じことを繰り返し、体調を悪くしていくだけでしょう。

こうした場合の多くは、本人が悪い食習慣に気づいていなかったり、また薄々分かっていても、まだ大丈夫だろうと、つまらない自己暗示をかけて現実逃避したりしています。このような方々は、次のページで述べる具体的な対策と実践が必要になります。

食習慣の悪い人への対策

早期に体調改善するための3ステップを紹介します。

Step1 専門家による食習慣の現状分析・認識
Step2  問題点の抽出・把握と具体的改善メニュー作り
Step3 指導に基づいた規則正しい食習慣の励行
Goal 自然治癒力・免疫力の強化による、健康な体に体質改善

実は企業体質も人間の体質と同じことが言えます。

ビジネス習慣の良い組織体は、善玉菌のビジネスリーダーが増え、日和見菌の中間層を引っ張り、そして悪玉菌を追い出し健康的で強い体質を作ります。

一方、ビジネス習慣の悪い組織体は悪玉菌のローパフォーマーが増え、日和見菌の中間層を抱き込み、善玉菌のモチベーションを下げて、組織を蝕み病弱な体質を作ります。

企業変革の主役は善玉菌

本来、経営やマネジメントでは、自分の体の善玉菌をケアするのと同じように組織の善玉菌をケアしなければならないのです。しかし、日本企業は一番数の多い日和見菌の中間層に注目し、教育を通じてミドルアップをし、悪玉菌を何とか力ずくで日和見菌にボトムアップするのに一生懸命で、一番大事な善玉菌へのアプローチは後回しにしてきました。

このプライオリティーを間違った日本のビジネス習慣のツケが、ビジネスリーダーの慢性的な不足を招き、市場競争力やグローバル競争力の低下につながっているのです。

日本企業は早く目を覚ます必要があります。まずは企業にも当てはまる上記の3つのステップによる対策を実践してビジネス力を強化し、健全な組織に体質改善することが重要です。

基礎体力がついた後は、善玉菌に企業のリソースを集中し、組織全体に増やしていくことが大事です。こうして日和見菌を引き寄せてミドルアップし、悪玉菌を自然に体外に排出する強い企業体質が作り上げられるのです。

ここで、上記対策のStep1にあたる現状分析と認識のために、簡単な診断テストをしてみましょう。自分が善玉菌か日和見菌か、あるいは悪玉菌なのか? それを認識するための診断です。あなたと、あなたのマネジメントのビジネス習慣について大まかに捉え直すことができるはずです。まずは勇気を出してチェックしてみてください。

この診断では、あなたとあなたのマネジメントのビジネス習慣を点数化します。自分自身、あるいは組織のメンバー全体を思い浮かべながら、下記の10個の質問にお答えください。最後に選択した点数を合計し、下に記載した表に当てはめて診断してみてください。

80~100点 善玉菌グループ

善玉菌パーソン

常に自己成長や自己実現を意識したビジネス習慣です。このままの調子で気を抜かず行動できれば、必ずビジネスリーダーになれるでしょう。

善玉菌マネジャー

大変素晴らしいビジネスマネジメント習慣です。自分の分身を作り、さらに組織やプロジェクトを拡大できれば、企業を成長に導ける真のビジネスリーダーです。

50~79点 日和見菌グループ

日和見菌パーソン

常に周りの環境や人の影響を受けやすいビジネス習慣です。自分の優柔不断さを認め、善玉菌グループを手本に改善しましょう。

日和見菌マネジャー

このままでは先行きが不安なビジネスマネジメント習慣です。トップの方針や与えられたメンバーなどのタイプで自分の日々のマネジメントやパフォーマンスがぶれる傾向にあります。まず、自分自身が率先して健全なビジネススタイルを身につけましょう。

0~49点 悪玉菌グループ

悪玉菌パーソン

常に社内外の人に迷惑をかけやすいビジネス習慣です。いったん立ち止まって、自分のビジネス習慣の問題点をあぶり出し、対策を立て実行に移しましょう。

悪玉菌マネジャー

このままでは全員共倒れのビジネスマネジメント習慣です。放っておくと会社のリソースを食いつぶし、悪影響を与えてしまいます。早急に専門家に分析してもらい、具体的にアドバイスを受けましょう。

診断の結果はいかがでしたでしょうか? 今回は、あくまでも簡易的な診断ですので断定はできませんが、大筋間違っていないはずです。

あなたがこれから会社の中で、善玉菌でいるのか、悪玉菌でいるのかは、日々の食習慣次第なんです。これを機に自分の食習慣、すなわちビジネス習慣を見直して頂き、強靭なビジネス体質を作ってください。

次回はあなたのさらなる体質強化のための、ビジネスサイクルの回し方について説明していきます。